【完】君しかいらない
「……あぁっ。今は私語は慎まないとね」


先生はそう言うと、顔を赤くして前を向きなおした。


結局何なのか、わからず。


表彰が終わり、ステージ上の人たちがゾロゾロとクラスの列へと戻っていく。


そのあとは生徒会長からの文化祭の収支の報告や、先生の話で全校集会は終了した。





生徒が散り散りになって体育館から出る中、先生はある人を呼び止めた。


「安元くん!」


……え。


友達と歩いていた安元くんがふと足を止める。


そして、先生の隣にいるあたしを、チラッと見た。


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