【完】君しかいらない
「それってどういう意味ですか?」



「アンタが一番よくわかってるでしょ?あの子用意周到だから、いつも財布に数万入れてるのよ。

だけど、1日前に財布に入ってた金が、翌朝にはすっからかんになってる。

クラブで使うには額が大きすぎるし……誰かに渡してるとしか思えないでしょ?」



「……それって、誰かに取られてるって言いたいんですか?」



「取られるっていうよりかは、貢いでる?

昔から司の交友関係には目をつぶってきたけど……いつもガラの悪いのと一緒にいるから……。

きっと、アンタもその相手が誰なのか……知ってるんでしょう?」



女は俺を試すような視線を送ってくる。



貢いでたって……あの女が?



まさか陽斗じゃないだろうし……。



それにしても、司って女は……



俺が…いや、陽斗が思ってるような女じゃなさそうだよな。




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