【完】君しかいらない
「春奈……陽斗に話しかけてもダメだ…。家族全員が声かけても、ピクリとも動かないんだからな……」
……兄貴の声?
「そんな……」
「……だけど、心配しなくて大丈夫。
外傷はひどいけど、幸い脳に異常もないし、あとは体力の回復を待つだけだって医者も言ってたから」
「大丈夫って……意識がないのに?こんな状態で、大丈夫なわけないでしょ!?」
春奈の泣きじゃくる声と、物を叩く音が聞こえてくる。
……なんだ、この夢。
俺の目の前は真っ暗なんだけど、やたらリアル……。
「心配か……?陽斗のこと……」
「当たり前じゃないっ……陽斗……お願いだから、目開けてよ……」
ドンドンと胸を叩かれるような振動を感じた。
……ちょっと待てよ。
これって、現実に起きてること?
……兄貴の声?
「そんな……」
「……だけど、心配しなくて大丈夫。
外傷はひどいけど、幸い脳に異常もないし、あとは体力の回復を待つだけだって医者も言ってたから」
「大丈夫って……意識がないのに?こんな状態で、大丈夫なわけないでしょ!?」
春奈の泣きじゃくる声と、物を叩く音が聞こえてくる。
……なんだ、この夢。
俺の目の前は真っ暗なんだけど、やたらリアル……。
「心配か……?陽斗のこと……」
「当たり前じゃないっ……陽斗……お願いだから、目開けてよ……」
ドンドンと胸を叩かれるような振動を感じた。
……ちょっと待てよ。
これって、現実に起きてること?