【完】君しかいらない
「だけどそのせいで、陽斗の教育方針でモメて……親がケンカするようになって……。

結局、陽斗と離れ離れになった……」


……ウソだろ。


俺が原因……なのか?







「陽斗がやんちゃだったのも、元はと言えば俺の責任だ。

前にも言ったことがあるよな……俺は、陽斗を一番に優先したいって……」


……え?



「……うん」


「もし仮に、俺たちのことが関係ないにしろ……陽斗には、春奈……お前が必要なんじゃないか?

陽斗の気持ちを差し押いて、付き合うことは……やっぱり俺にはできない」



なんで……


俺のため、みたいなこと言ってんだ!?


兄貴はいつもそうだ……。


俺のため……


そんな顔をして……


自分の気持ちを、押し殺す……。


そんな兄貴が……


俺は大っ嫌いだった……。



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