【完】君しかいらない
「驚くよ!だって、おとなりさんでしょ!?安元くんのお母さんとは、一度挨拶したし…」



「おとなりさんねぇ…。だけど、他人じゃん。小中もさ、他人の心配ばっかしてて、疲れねぇ?」



「あたし?疲れないよ?だって、心配だもん。

安元くんのことだって、ずっと心配してた。突然あんなことになって、入院だなんて……」



「……もう、終わったことだろ」



「そんな…。まだ、終わってないよ?奏太くんは、安元くんを襲った犯人を探してる。それが捕まらない限り」




あたしがそう言うと、安元くんの顔が微妙に歪む。










「アイツ…まだそんなことしてんの?やめろって言ったのに……」




「奏太くん……安元くんのことで責任感じてて……。元はといえば、全部あたしのことが原因なんだよね?

夏休みの肝試しで、あたしを助けてくれたから……」




「もう、それ以上言うなよ。お前は別に関係ないし、今回のことは…突然絡まれて、一方的に殴られた。ただ、それだけ」




安元くんはそう言いのこすと、冷たい表情のままあたしの前を通りすぎようとした。




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