【完】君しかいらない
――キキーッ!!



そのとき車が勢いよく急ブレーキを踏んだ。




強い振動と共に、男共が騒ぎだす。





「トイレ行きたくなった」




「マジかよー」




「俺らコンビニ行くけど、司はどうする?」




男が蔦田司に声をかける。




「あたしはココにいる……」




「そっか。じゃ、すぐ戻る」




そう行って、扉の開閉する音が聞こえ車内は静かになった。











「なんで行かなかった?」




「まだ……話があるんでしょ?あんたもうすぐ…安元くんと同じ目に遭うよ……。だから、言いたいことがあるなら…聞いてあげる」




蔦田司は、少しずつ息を吐きながら落ち着いた声で話す。




陽斗と同じ目って……。




かなりヤバい状態なのに逃げることより、真実を聞くことの方が大切な気がして、




俺はこの場から動く気すら起きない。












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