【完】君しかいらない
そぉっと立ち上がり、後ろの入口に向かう。


「陽斗~!会いたかった!!」


「やーめろって、まとわりつくなっ」


背中越しに、奏太くんと安元くんの声が聞こえる。


そっか、あの二人仲いいんだっけ…。


けど、なんだか安元くんは迷惑そう。





「なー、なー。このクラスに愛梨ちゃんって子いるよな。どこどこ?」


ギク~~~ッ!!!


に…逃げよう。


「愛梨?誰だ、それ」


ひ、ひどいっ!


安元くん、あたしの名前覚えてくれてないんだね。


ううん、それが普通だよね。


転校生の下の名前なんて、わざわざ覚えてるわけない…。


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