【完】君しかいらない
手を伸ばして愛梨ちゃんの腕を引っ張ると、


「キャッ!」という声と共に、愛梨ちゃんが俺の胸の中にスッポリとおさまった。


それなりに重みもあって、柔らかくて…全然夢っぽくないんだけど?


「ばっ、バカ!!!奏太くん、離してーっ」


…ん?


愛梨ちゃんは、俺の胸でジタバタ暴れてる。


「俺、今夢見てんだよな~。だから何してもいーわけ」


「夢!?違うからっ、夢じゃないよ」


「おー、夢じゃなかったんだ?ハハッ、どーりでホンモノっぽいと思った」


「もうっ、笑ってないで起こしてよ!」


「んー…もったいないから、もーちょっと…」


俺が愛梨ちゃんを更にギュッと抱きしめてると…。







ガラッ!!


保健室の扉が、勢い良く開いた。










< 379 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop