【完】君しかいらない
愛梨ちゃんは顔を真っ赤にして、大慌てで俺に謝ってる。


「全然いーよ。半分はあたってるし。俺も挨拶とか、ちゃんとしてねーから…。つーことで、そろそろ帰るわ。ありがとな」


シチューを食い終わって、席をたつと、愛梨ちゃんが俺の前に立ちふさがった。


…ん?


ここまで言って、まだ引き止めるか?







「ウチは、そういうの…気にしないから」


「…え?」


「周りの人がどういうこと言ってるのかは知らないけど、奏太くんがこのままいても、ウチは全然迷惑じゃないよ」


愛梨ちゃんがそう言ったら、愛梨ちゃんの母親までもが、その隣で強く頷いていた。


「そうよー。人の噂なんてどうでもいいじゃない。私たちが、いいって言ってるんだから、何も気にしなくっていいのよ」



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