【完】君しかいらない
苦手な雨の日のはずなのに、
今は不思議と、嫌じゃない。
いつもはシンと静まり返った家の中で眠るけど、リビングから聞こえてくるテレビの音や、話し声がとても心地良い。
家の中に人がいるって、いいよな…。
トントン。
部屋のドアが軽くノックされ、愛梨ちゃんの小さい声が聞こえてくる。
「奏太くん…もう、寝ちゃった?」
…うわ、泣いてたとことか見せらんねぇんだけど。
慌てて濡れた枕を、近くに置いてあったタオルでゴシゴシと拭く。
「いや、まだ…起きてる」
「今日、泊まっていってもいいよ。あっ、お母さんがね、そうしなさいって。制服は乾燥機にかけてるから、朝には渡せるようにするからね」
「…マジで?じゃあ…そうさせてもらおうかな」
泊まらないっていう選択を、なぜかもうする気にはならなくて。
また、あの家に一人で帰るのは…さすがに今日は厳しいかなって思ったから。
今は不思議と、嫌じゃない。
いつもはシンと静まり返った家の中で眠るけど、リビングから聞こえてくるテレビの音や、話し声がとても心地良い。
家の中に人がいるって、いいよな…。
トントン。
部屋のドアが軽くノックされ、愛梨ちゃんの小さい声が聞こえてくる。
「奏太くん…もう、寝ちゃった?」
…うわ、泣いてたとことか見せらんねぇんだけど。
慌てて濡れた枕を、近くに置いてあったタオルでゴシゴシと拭く。
「いや、まだ…起きてる」
「今日、泊まっていってもいいよ。あっ、お母さんがね、そうしなさいって。制服は乾燥機にかけてるから、朝には渡せるようにするからね」
「…マジで?じゃあ…そうさせてもらおうかな」
泊まらないっていう選択を、なぜかもうする気にはならなくて。
また、あの家に一人で帰るのは…さすがに今日は厳しいかなって思ったから。