【完】君しかいらない
保健室で寝てる奏太くんを見たとき…完全に無防備で、あどけない顔をしていて…。


あの、突然引っ越して行った、ハーフのあの子を…思い出したんだ。


そういえばあの子も、髪の色は金に近い茶色で、顏立ちも奏太くんみたいにすごく綺麗だった…。


「確か、お母さんが外国の方なのよね。話したことはないけど…。何て名前だったかしら…」


「うーん。それが思い出せたら苦労しないんだけど~」


残念ながら、名前は全然憶えてなくって。


「グループ会社には海外から赴任してる人もたくさんいるし、一概にそうとは言えないけどね…。それにしても、あんなに綺麗な顏の男の子って、探せばいるもんね~」


お母さんは嬉しそうにオホホって笑ってる。






「ハーフなんだって」


「あらそう…。だったらやっぱりそうなのかしら」


「わかんない…」


「聞いてみたら?」


「うーん…」








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