【完】君しかいらない
あのときのあの子だってわかったところで、何て言えばいいの?


あの子はいつも男の子たちにいじめられてたけど、あたしは何もしてあげられなかった。


見てみぬフリしてたヒドイ女だって…そう、記憶に残ってたとしたら、ますます言い出せないよ…。



「ねぇ、愛梨。あっくんの時計…どうしたの?」


「えっ!あぁ、文字盤が、傷ついちゃって…。っていうか、動かなくなったの。今ね、修理にだしてる」


「あらそう。早くなおるといいわね」


安元くんが時計がどうのって言ってたのを思いだす。


そんなことで、あっくんと…!?


ううん、不吉なことは考えないでおこう!


あたしは気を取り直して、あっくんに電話をかけることにした。






今日はすぐに出てくれて。


昨日の不安は、一体何だったの?っていうぐらいに。




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