【完】君しかいらない
「あたし、やりたいことなんて、ないもん…」


「…そっか」


「あっ、あっくんの応援したい!!今年は、甲子園に出たりしないの!?」


もしかしたらそれもアリだよね!


そしたら家族全員で、応援に行っちゃう!!!


「いや…それはナイかな~。ウチの高校、テニスとバスケは強いけど野球は全然だしね」


「あっくんぐらいウマい人がいたら、すぐ優勝しちゃうんじゃないの?ボール投げる姿、最高だもん!思い出したら、ニヤけちゃうっ」


あっくんのユニフォーム姿はホントに最高。


それに加えて、部活中に声だししてるとことか、走ってるとこ、もう全てが素敵なんだ~。


野球のことはよくわからないけど、見てるだけで幸せになれちゃう。


「俺なんて中の下だから。ウマいヤツなんて、驚くぐらいたくさんいるよ」


「そんなことないよ!あっくんウマいもん。あたしが保証するっ」


「ハハ、ありがと。愛梨はいつも前向きで羨ましいよ」


「それだけが取り柄だもんね~」


「だよなぁ~」


「わっ、それってバカにしてる?」


「してない、してない」





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