【完】君しかいらない
「うん、そーなの。わかっちゃった?」


「うん、うん。そっか~、あっくんとはラブラブか~」


奏太くんは、あたしを見て苦笑してる。


「うん、ラブラブ~」


そうでもないけど、言っちゃう!


「でもさ~、バカだよな」


「えっ?」


「何で俺が泊まってること、喋ってんの?逆効果じゃん。フツー、男はそーいうの嫌がるよ」


「わっ、もしかして全部聞いてたの!?」


「所々…な。聞くつもりなかったけど、気になって…。ごめん、これって、盗み聞きだよな」


奏太くんは申し訳なさそうな顔をして、頭を少し垂れた。


「ううん、あたしもここで電話してたし…。あっくんは…大丈夫なんだぁ。あたし、ちょっとは妬いてくれるかなって思って言ったの。けど、そーでもなかった」


「…へぇ。信用されてんだ?」


「まーねぇ…」


信用されてるのか、そこまであたしに関心がないのかは、微妙なところ。



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