【完】君しかいらない
「春奈、今は好きな人はいないって言ってた…。元カレとのことも、今日ちょっと聞いたんだけど、元カレよりは安元くんとより戻したそうだったけどな」


「…ふーん」


奏太くん、何だか不服そうな顔をしてる。


「安元くんと、もっと分かり合いたかったって言ってたよ。それをただ、元カレに相談してただけで…」


「元カレを忘れらんないから、代わりに陽斗を利用したくせにな。そんなことまで愛梨ちゃんに話したんだ?」


「利用したっていうのは、言い過ぎだよ…。春奈だって、苦しんでる。安元くんのこと、好きになれそうだったから、告白したって…」


中途半端にしか知らないから、こんなことを奏太くんに言っても、受け入れてもらえないだろうけど。


だけど、もし何か誤解してるんだったら、今ここで弁解しておきたい。


春奈は悪意があって安元くんと付き合ってたわけじゃないし、今日の春奈の表情を思い出すと、何だか胸が苦しくなってくる。


「…相手が悪すぎたんだよ」


「…えっ?」


「何で陽斗なんだよな…。好きになんなら、他のヤツを好きになればいーのに…」



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