【完】君しかいらない
ビビってなにもできないでいると…。


奏太くんはフッと笑って、あたしから手を離した。


「…ウソ、ウソ。そんな、ビビった顏されると…傷付くわ~」


ホッ…。なんだ、やっぱり冗談だったんだ?


あ~びっくりした。


「奏太くん、驚かせないでよね!?」


「ハァ…」


何だかため息ついて、疲れてるし。…どうしたんだろ。奏太くんらしくないよ?


「で、春奈と安元くんは…」


「春奈の元カレは…陽斗の兄貴だよ」


「えっ!?」


「っつっても、今は一緒に住んでないし、ここにはいねぇけど」


ドキドキしてきた。


そうなの…?


春奈は、安元くんのお兄さんと付き合ってたんだ…。



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