【完】君しかいらない
「…会えて、よかった。あのときは、逃げるように引っ越ししたけど…俺、ずっと愛梨ちゃんに言いたいことがあったから」


「あたしに…言いたいこと?」


「そ。俺のこと、いつも誉めてくれてたじゃん?だから、自信持ててたし、モチベーション保ててた」


「そんな…あたし、全然…」


「いや、もーマジで感謝してます。…ありがとな。俺にとって、愛梨ちゃんは…すごーく大切な友達だった」


大切な…友達。


「ホント…に?」


「うん」


「あたしのこと、見て見ぬフリしてるとか…思ってなかった?」


「思うわけねーじゃん。愛梨ちゃんがいなかったら…俺、頑張れてなかったかも。毎朝、愛梨ちゃんが来てると嬉しかったし、話しかけてくれる度に、テンション上がってた」



「アハ、よかった…安心した~」


「それに…」


それ…に?


奏太くんはあたしに一歩近づいてくる。


ドキッ…。


「な…何?」






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