【完】君しかいらない
「ははは~、そんな冗談…」


「冗談じゃないよ~。何か男子の間では、そーいうことになってるらしい。知らなかったのは、あたしたちだけで。カップルは優先的に組み合わせにしてるし、それでいーかな?」


「いやっ、全然よくないし!何であたしが安元くんと…っていうか、カップルじゃないから」


必死で弁解するんだけど、


「またそんなこと言って~。いいじゃん、安元くんが組みたいって言ってるんだから。照れなくていーよ」


クスクス笑われるだけで、全く話になんない。


「あのねぇっ、あたしは…」


思わず春奈の方を見ると、いつもならすぐ話に加わってくる春奈は、前を向いたまま振り向こうとしない。


…ちょっと、ちょっと。


安元くーんっ!?


ガタッと立ち上がり、あたしは安元くんの席へズカズカと歩き出した。




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