【完】君しかいらない
「おっ、愛梨ちゃん!いいとこに来た」


「何?あたし今急いでて…」


別に急いでなんてないんだけど、とりあえず言い訳。


「俺の用事、すぐすむから。今日ってクラスで肝試しやるって?」


「そーなの。20時からなんだけどね」


「それ、俺も行こーかな」


「えぇっ!?何で?」


「何で…ってかなりおいしーじゃん。怖がってる愛梨ちゃんが、俺に抱き着いてくること間違いナシ!一緒にまわろーぜ?」


奏太くん、すっかりあたしとまわる気でいるんだけど。


「カップル以外は、全員クジだから。来てもいいけど、他の子と組むかもだよ?」


「えー、マジかよ…。そこんとこ、裏からちょこちょこっと…」


「できませーん!」


春奈と安元くんだけ、特別だけどね!


みんながみんな組みたい人と組んだら、肝試しの意味がないっ!!って幹事が言ってた。


微妙な相手とまわるからこそ、余計怖いらしい…。


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