【完】君しかいらない
「愛梨は、俺のことなんか気にせずにいつも通りにしてたらいいよ」


あまりに淡々と言われてしまい、ショックが隠せない。


誰に聞いたとか、あたしが知ったことで驚くかと思ったけど、あっくんからはそんな反応は全くみられなかった。


「いつも通りって、そんなの無理だよ。あたし、心配で…。夏休み前も、学校にあんまり行ってなかったっていうし、どうしちゃったの?」


「どう…って、しょーがないじゃん。そんな時間ないんだよ」


何だか投げやりな言い方で、今までのあっくんじゃないみたいで…。






「時間…。そうだよね、お父さんの代わりに配達したり、家のこと手伝ったりしてるんだもんね。偉いね、あっくん」


あたしもそっちに行ってあっくんのお手伝いがしたい。


そう言おうとしたら、冷たい言葉が返ってきた。




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