【完】君しかいらない
「今、いっぱいいっぱいなんだよ。できればしばらく、電話もしないで欲しい。落ち着いたら…また、俺からかけるから」


ズキッ。


「そんな…あっくん、そんなこと言わないでよ。あたし…」


「愛梨には時間はいっぱいあるかもしれないけど、俺は…今、この時間でさえ貴重なんだ。悪いけど、切るから…」


「待って…!あっくん、まだ切らないで…。あたしは応援してるからね。頑張って!」


何もしてあげられないもどかしさと、あっくんに心を開いてもらえない悲しさと、


今、どんな風に声をかければいいのかわからない、自分の不甲斐なさに、涙が止まらない。


泣いたって、仕方がないってわかってるのに、弱い自分が前面に出てきてしまう。





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