【完】君しかいらない
「奏太くん、一緒に帰らない…?何人かでファミレスでも寄って帰ろうって話してて」


ペアになってた女子がそう言ってくるんだけど、そんなつもりないしなー…。


「んー、先輩悪いけど。俺、今日は帰りますね」


一応、これでも俺年下だし。


こーいうときだけ、敬語なんて使って、年下ぶってみる。


そしたらすぐに引いてくれた。


「ごっ、ごめんね。声かけてみただけだから」


パタパタと、女子の集団の中に戻っていく。






「やっぱダメだった~…肝試しではいい感じだったのになぁ~」


「そーなんだぁ。奏太くん、今彼女いないから、狙いめだったのにね~。もしかしたら、もう誰かと付き合ってるのかな」


「知らなーい」


そんな声が聞こえてくる。





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