【完】君しかいらない
あ!そうだ。


誰かと比較したらわかってもらえるかな。



「えっとね。奏太くんと比べるなら…。見た目は奏太くんが白で、安元くんが黒なの」


「ほぉ…」


「奏太くんって、ちょっとフワフワしてて天然ぽいときあるし白いイメージ。安元くんは、一見とっつきにくいし、イジワルだから黒いイメージ。

だけど、安元くんって中身は白なのかなーって。ちゃんと話したらひねくれたりしてないし、わかりにくいけど、いつも結構優しいし…ホントは、白なんだなーって思って…」


あたしがそう言うと、安元くんは照れてるのか通路側に顔を一瞬背けた。


「別に優しくなんてしてるつもりねーけど…」


「ううん…優しいよ。今日だって、あたし重いのに駅までおぶってくれて…。口は悪いけど、転校してきた日だって、あたしが春奈と仲よくできるように、机を真後ろに置いてくれたり…」


「あれは…」




< 564 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop