【完】君しかいらない
「あっ…知らないや…」


そうだった。


あんなによく話してるのに、メアドさえ知らないんだった。


いつでも会えるって思ってたから、敢えて交換しようって思わなかったし…。



「ま、奏太のことだからうまくやってると思うけど。俺よりか全然顔広いし、情報集めは奏太の方が得意だからな。俺が思うに…俺か奏太と一緒にいたことで、反感買ったような気がすんだよな」


「そうなのかな…」


「目立ち過ぎとか、そうじゃなきゃ思わねーだろ?」


「うーん…わかんない」


「ま、とにかく俺らに任せてればいーから。小中は…とりあえず、明日に備えて少しでも寝てろよな」


「…うん」


安元くんはフッと笑うと、再び目を静かに閉じる。




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