【完】君しかいらない
「布団あるのかなー…雑魚寝って言ってたけど、せめて掛布団ぐらい欲しいよね?」


あたしが立とうとしたら、奏太くんが軽く腕を引っ張った。


「俺、このまま…寝たい」


「えっ、や…ちょっと!?」


奏太くんは強引にあたしの膝の上に頭を乗せてくる。


そういえば、今日も駅で膝まくら…。


思い出したら、なんだか急にはずかしくなってきた。


「奏太くん!?寝るならちゃんと…」


「帰りたくねーなー…俺、夏休み中、ずっとココにいたい…」


奏太くんが、そんなことを言い出した。








「そんな…ずっとって…」


「愛梨ちゃんの好きなヤツが…なんで、俺じゃないのかな…」


「…えっ?」


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