【完】君しかいらない
さっき一瞬、電話したいって思ったことを思い出す。


「そんな……してないもん。行ってくる!お使いなんて、いまどき小学生でもできるし?あたしに任せなさ~い!」


「うわ~、頼もしい。じゃあ、もっと余裕があったら、今日の夕食用にお弁当屋でお弁当でも買って来てくれると嬉しいわ」


あたしはお母さんの言葉を聞かなかったことにして、足早に玄関を出た。






「はぁっ……」


玄関を出ると、目の前の手すりから、道路や街並みが見える。


田舎すぎるでもなく、大都会でもなく。


ほどよい環境。



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