【完】君しかいらない
「あっ、待って!職員室が……どこか、わか……」


そこまで言って、この人に聞くのは間違いだったと気付く。


だって、睨まれてるしっ!


「あっ、あっ。……やっぱりなんでもない!」


あたしは安元くんから逃げるように、とりあえず、廊下が続く左の方へと進んでいく。


そしたら、後ろからカバンの紐をグッと引っ張られた。


「そっちじゃねーし……ったく、手間かけさせんなよ……」


ブツクさ言いながら、あたしが行くのと、反対方向に引っ張られる。


「えっ、連れてってくれるの!?」


「行きたくないけどな」


えぇっ!?そんなハッキリ言わなくても……。


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