【完】君しかいらない
「絶対、あるんだから…」


「そーかな…」


「あるある!安元くん、テストの前とか興奮しない?」


「…は?」


「今回のテストも俺ならヨユーとか、絶対また塾で1位だな、とか。そういうときって、テンション上がらない?」


「いやー…別に…」


「そーなの?あたしテストのとき毎回緊張するんだよねー。お腹痛くなるし…」


「それってテンション上がるとはちょっと違くねー?」


「同じ、同じ!なんかこう…ワクワクっていうか、未知のモノに対する興味とか好奇心とか、勉強したとこが出てたら、ラッキー!!!って思うでしょ?」


「公式とか単語は、ほとんど頭に入ってるからな。別に今さら…」


「うわーっ、かわいくない。それ塾で言ってみて?すごいイヤミなヤツだよ?」


へー、そうなのか…。







司は俺にイヤミなヤツとか言いながら、


嬉しそうに笑ってる。


コイツが言うと、全然ムカつかねーし、


むしろ……。



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