【完】君しかいらない
――ドクンッ。


うわ、今…動悸がした。


なんだ?


俺、なんか悪いモンでも食った?


それか、打ち上げ花火の音に、シンクロしてんのか…。






笑いっぱなしで花火なんてそっちのけ。


俺の方ばっか見てる司の手元を見ると、またカバンの中に、ポタポタと水滴が垂れていた。


「ホラ、またやってんじゃん。俺が持つから…」


司の手からカキ氷のカップを奪ったら、


「あっ、これまだ食べるの」


って言って、奪い返された。


ったく、ガキかよ!!


思わずチッと舌打ちが。


それでも司はフフッと嬉しそうに笑ってる。


なんだよ…


なんなんだよ、コイツは。


イライラすんのに、やたら気になる。





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