【完】君しかいらない
「ちょっとぉ~、安元くん」


司の腕を引っ張り、人混みを抜ける。


大きな公園の中で花火を見てたんだけど、屋台が並ぶ道を突き進み、公園の隅っこの、人気のない場所に司を連れだした。


「はー…」


「ごめんなさい…。あたしがあんなことしたからだよね…」


司には、俺がこうした原因がわかってたみたいで、申し訳なさそうな顔を見せた。


「おー。わかってんだ?」


「わかってる…。ちょっとだけ…彼女っぽいこと…してみたかったから」


彼女っぽいことって!







おいおい、冗談じゃねー。


やっぱり俺はハッキリ言うべきだったんだよな。


その気がないなら…


振り回すなって…


自分が一番、わかってたこと…。



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