【完】君しかいらない
軽く触れたつもりが、司の口から出る甘い吐息に


なにもかも、押し流される。


俺の唇に吸い付くように求めてくる司に合わせて、


中毒のように…


何度も何度も、唇を重ねた。







司との初めてのキスは…


カキ氷のシロップの、甘ったるい味がした。






ひんやりと冷たい、司の口の中が、


だんだん熱を帯びてくる。



それと共に、


冷めきった俺の心も…


少しずつ、温かくなっていくような


…そんな、気がしていた。















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