【完】君しかいらない
「ハイ…」


いつも元気な声で出る愛梨ちゃんからしたら、小さくて聞き取りにくい声が聞こえてきた。


…ヤバ、


番号間違えた……。


「愛梨ちゃん…?」


恐る恐る聞いてみると、


電話の相手はなにも返事をしなくなった。







…マズい。


これ、絶対間違ってんな。


黙ってそのまま電話を切ろうとすると、


か細い声が聞こえてきた。


「……誰?どうしてあたしの名前……」


やった!!!


「愛梨ちゃん、俺、俺!!!奏太」


思わず叫ぶと、愛梨ちゃんが驚きの声をあげた。


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