【完】君しかいらない
胸を鷲掴みされたかのように、ギュッと痛くなる。
「陽斗は…なん…て?」
「なんだろう……。具体的な言葉は、忘れちゃったんだけど…。とにかく、あたしを安心させてくれることを、たくさん言ってくれて…。
安元くんって、ぶっきらぼうだけど…ホントは優しいよね」
電話の向こうで、愛梨ちゃんが笑みを作ってるのがわかるような、幸せそうな声が聞こえてくる。
…陽斗が優しいのなんて、
俺だって知ってる。
一見冷たいから、自分を一番大事にしてるようなタイプに見えるけど、
ホントは、困ってる人を放っておけない性格。
春奈とのことだって、
決別すりゃいーのに、
わざわざ兄貴とヨリ戻させるようなこと言ったりさ…。
変な優しさで、いつも自分を苦しめる。
相手を嫌いになることで、遠ざけたりとかができないから…
いつまでたっても、春奈の影を追ってるんだよな。
「陽斗は…なん…て?」
「なんだろう……。具体的な言葉は、忘れちゃったんだけど…。とにかく、あたしを安心させてくれることを、たくさん言ってくれて…。
安元くんって、ぶっきらぼうだけど…ホントは優しいよね」
電話の向こうで、愛梨ちゃんが笑みを作ってるのがわかるような、幸せそうな声が聞こえてくる。
…陽斗が優しいのなんて、
俺だって知ってる。
一見冷たいから、自分を一番大事にしてるようなタイプに見えるけど、
ホントは、困ってる人を放っておけない性格。
春奈とのことだって、
決別すりゃいーのに、
わざわざ兄貴とヨリ戻させるようなこと言ったりさ…。
変な優しさで、いつも自分を苦しめる。
相手を嫌いになることで、遠ざけたりとかができないから…
いつまでたっても、春奈の影を追ってるんだよな。