【完】君しかいらない
お姉さん的存在の依子は、いつもあたしの憧れだった。


「勉強もスポーツも、なんでもできて……美人で優しい、そんな依子のことを、あっくんが好きにならない方が不思議だったんだよね。

……へへっ、なんであたし気付かなかったんだろ」


「そんなことないよ?あっくんだって…愛梨と付き合って、すごく楽しそうだった」


「でも…あたし、重いんだって。こないだフられたの……知ってるよね、依子も……」


「…………」


それを誰から聞いたかなんて、依子は敢えて言わないけど、


無言の返事がそう言っているようで、あたしはなんとも言えない気持ちになった。







「あたしね…これ以上、あっくんに迷惑かけたくないから……。あっ、依子にもね。だから…もう、そっちには帰らない」


「……えっ?愛梨……?」




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