【完】君しかいらない
「コッチの生活、スッゴく楽しいの!もう……ずっとコッチにいたいって思っちゃう」


「そう……なの……?そんなこと言わないで…」


「前に言ってたよね。お隣にものすごい無愛想なイケメンが住んでて、でもそのひとって結構いい人で。

でもって、ずっと離れて住んでた幼なじみとも再会して。その子もね、超イケメン!

コッチの学校って、イケメンだらけ!あたし、あっくんのことなんて、すぐ忘れられそうだよ」


「愛梨……」


「それに、借金とかお父さんのこととか。正直サッパリわかんないし、相談されても困る。

今のあっくんは、あたしには手に負えないや」


「ホントに……?愛梨……ホントにそう思ってる?」


「そーだよ。あたしは、学校一の人気者だった、あっくんが好きだったんだもん」


「…………」







一瞬の間のあと、依子の冷たい声が聞こえてきた。


「ヒド……愛梨が、そんな冷たい子だと思わなかった……」


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