甘恋集め
気付いた友達はみんな一様に
『透子に似合わない』
と言って笑う。大人ぶらなくてもいいのにって言ってからかう。
私も、自分がそれほど大人っぽくない事は自覚しているし、化粧もうまくないしハイヒールも苦手。わかってるけど。
「この香りが、私の大切な人を探してくれてるの」
信号が青に変わって、ゆっくりと歩き出して。
小さな声でそう呟いた。
「大切な人……?」
山崎くんの怪訝そうな声に、にっこりと笑った私は、肩をすくめて歩みをすすめた。