甘恋集め
「あ……あの、私……付き合ってる人はいないけど……」
つらそうな山崎くんから視線をそらして、言葉を探した。
何となく、そうなのかなと思わなくもなかった。
同じ講義を取る事が多い山崎くんとは、一緒にいる時間も多い。
段何気ない時にでも私に優しい言葉をかけてくれたり、課題に行き詰まっている私に的確なヒントをくれたり。
私の事を穏やかに見守ってくれていると、感じていた。
「俺、透子ちゃんの事が、好きなんだ」
今、そう言ってくれる山崎くんの言葉に、それほど驚かないくらいには、気付いていた。
山崎くんが、私を気に入ってくれている事。