コイン★悪い男の純情
 「もう、いいだろう。ちょっと、ここで待ってろ」


 そう言い残すと、淳也は後方に止めている、あらかじめ用意していた盗難車の方へ。

 淳也は、その車を前崎の車のすぐそばまで運転して来た。



 「勇太君と同じめに合わせてやるから、待っていろ」



 淳也は、前崎を後部座席から引き摺り出した。


 前崎を勇太君がひき逃げされた同じ場所に、淳也は引き摺って行った。





 「何をする気や。や め て く れ」




 前崎が弱弱しい声を上げた。

 淳也は辺りを見渡した。

 午前2時を過ぎた時間のせいか、人通りや車も走っていなかった。


 「よし、いいだろう」


 前崎の声を無視して淳也が盗難車に乗り込んだ。





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