コイン★悪い男の純情
 淳也は車をかなりバックをさせてから、前崎を目掛けて発進させた。



 アクセルを踏み込む。



 「許 し て  く  れ」



 前崎は、か細く叫びながら立ち上がろうとしている。



 「た・たすけ て  くれ」


 前崎がこちらに向かって、両手を合わせている。



 
 バ~~ン。



 淳也は前崎をひき、走り過ぎた。



 方向を急転換させると、倒れている前崎を目掛けて、もう一度アクセルを踏み込んだ。



 グシャグシャ~。



 前崎は車道の中央で血を流し、死んだようになっている。





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