コイン★悪い男の純情
5話 もらい泣き
かんなは淳也に微笑みながら語り掛けた。
「息子さんのお陰で少し足の踏み場が出来たかな」
「淳也と呼んで下さい。かんなさんの指示が無かったら、僕なんかうろたえて固まっていますよ」
「慣れてなかったら、誰だってそうなっていますよ」
「かんなさんて、こんな非常事態なのに、すごく落ち着いていますよね」
「落ち着いているなんて・・・。淳也さんて、私の事、大年増のヘルパーだと思っているんでしょう」
「と、とんでもない。若い人にこんな事までさせて申し訳ないと思っていますよ。汚い事をさせて勘弁して下さい」
淳也が少し照れながら、頭をぺこんと下げた。
かんなは薄情な家族を仕事を通して数多く見ていた。
「汚い事をさせて勘弁して下さい」
と、ストレートに言え、熱心に手伝う淳也に、かんなは不思議なほど好印象を持った。
「汚物は殆ど片付いたわね。次は雑巾で畳を拭きたいのだけど、淳也さん手伝ってもらえるかな」
「当然、やりますよ。僕にもさせて下さい」
「じゃ、お願いしようかな」
「そうして下さい」
「淳也さん、少し熱めのお湯をバケツに汲んで下さる」
「了解です」
淳也がお湯の入ったバケツを二人の間に置いた。
「雑巾を少しきつめに絞って、先程の要領で両端から中央へ拭いて下さい。便と尿の付いている所はティシュとウエットティシュで拭き取ってからお願いします」
「了解です」
「それから、雑巾は小まめにお湯で洗って下さいね」
「またまた、了解です」
二人は一生懸命に畳を雑巾で拭った。
たえが目をパチクリさせながら、仲良く後片付けをしている二人を交互に見ている。
たえの視線に、かんなは気が付いた。
「息子さんのお陰で少し足の踏み場が出来たかな」
「淳也と呼んで下さい。かんなさんの指示が無かったら、僕なんかうろたえて固まっていますよ」
「慣れてなかったら、誰だってそうなっていますよ」
「かんなさんて、こんな非常事態なのに、すごく落ち着いていますよね」
「落ち着いているなんて・・・。淳也さんて、私の事、大年増のヘルパーだと思っているんでしょう」
「と、とんでもない。若い人にこんな事までさせて申し訳ないと思っていますよ。汚い事をさせて勘弁して下さい」
淳也が少し照れながら、頭をぺこんと下げた。
かんなは薄情な家族を仕事を通して数多く見ていた。
「汚い事をさせて勘弁して下さい」
と、ストレートに言え、熱心に手伝う淳也に、かんなは不思議なほど好印象を持った。
「汚物は殆ど片付いたわね。次は雑巾で畳を拭きたいのだけど、淳也さん手伝ってもらえるかな」
「当然、やりますよ。僕にもさせて下さい」
「じゃ、お願いしようかな」
「そうして下さい」
「淳也さん、少し熱めのお湯をバケツに汲んで下さる」
「了解です」
淳也がお湯の入ったバケツを二人の間に置いた。
「雑巾を少しきつめに絞って、先程の要領で両端から中央へ拭いて下さい。便と尿の付いている所はティシュとウエットティシュで拭き取ってからお願いします」
「了解です」
「それから、雑巾は小まめにお湯で洗って下さいね」
「またまた、了解です」
二人は一生懸命に畳を雑巾で拭った。
たえが目をパチクリさせながら、仲良く後片付けをしている二人を交互に見ている。
たえの視線に、かんなは気が付いた。