こうもり女
朝礼が終わると、新人引き連れ各課を回り始めるカミキ部長

勿論うちらの居るデスクにも…

あー、ドンドン近付いてくる
どうしよ、どうしよ…!

消し消し…
夕べの出来事を私の記憶から消したい

いや!

ドロン…
忍者になって、忍法使って姿消したい!


……
出来るはずもなく、目の前にはカミキ部長御一行

咄嗟に深々頭を下げ、まともに顔を見ず、アコちゃんの後ろにコソコソと…

話しの内容なんて全く耳に入らず、ただひたすら気付かれないように祈っていた

仕事でだってこんなに緊張したことなんかないぞ
もう、心臓が口から飛び出しそう
いっそ出てしまったほうが楽かも!

……
結局何事もなく、御一行が通り過ぎ、カミキ部長が私の横を通った時、ポロリと落ちたペンを拾った

その時
……!!?

驚いて目を見開く私を、部長は愉しげに口角を上げ過ぎて行った

『よろしくな酒乱』って、甘く低くお腹に響くような囁き…
昨日とはまるで別人のような俺様口調


怒るのも忘れ、言われた言葉より、あの声にゾクリと震え、
呆然と部屋から出ていく背中を見ながら思った

『悪魔』だ…

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