短編集
白い天使
種有白羽(たねありしらは)
この世に生を受けて四年。
とても元気な子で、走るのが大好きなこの子は、いつも走り回っていた。
名前の通りにとにかく羽や白いものが大好きで、特に真っ白な羽を拾った時なんかは飛び跳ねて大喜び。
走り回って、母のもとへ行き、「かわいいの拾った」と、笑顔で言っていた。
羽や白いものを見せてくる度に、口癖のように「白羽ちゃんもいつか天使さんになるんだよ!」と言ってくる。
その笑顔は、本物の天使に見えてしまうくらいまぶしいものだった。
いつもと変わらない日常。
本当に、何も変わらなかった。
なのに、ある日突然異変が訪れた。
公園で親子で遊んでいた。
かわいい娘が満面の笑みで走っている。
そう、微笑ましく母は見守っていた。
いつも通り、微笑ましい光景を見ている……はずだった。
――ばたっ
娘は、何の前触れもなく、倒れた。
「……白羽?し、白羽!?」