短編集
母は急いで娘のもとへ駆けつけたが、白羽は息をしていない。
「白羽!?どうしたの!?目を開けて!息をして!!」
救急車を呼び、白羽は病院へと運ばれた。
力なくぐったりしていて、ピクリとも動かない。
「白羽、嫌、死なないで、白羽!!目を開けて……」
検査が終わり、白羽はベッドの上でちゃんと息をして、寝ている。
医者から聞いた結果。
それは、間質性肺炎(かんしつせいはいえん)という病気だった。
この病気は正常な肺とは違い、何らかの原因で肺に繊維化が起こり、肺が縮んでいくために呼吸ができなくなってしまう。
その上、白羽の場合特発性間質性肺炎(とくはつせいかんしつせいはいえん)といって、原因不明で発生した。
原因が解らないために処置のしようがなく、最悪、死に致ることすらある。
……ごく普通の女の子だったのに、そんな病気にかかってしまった……。