短編集
原因が分かれば、それを除去して回復に向かわせることが出来るのに、何年経っても原因は見つからなかった。
生存率は発見から
5年で50%
10年で20%
白羽は4歳で発見されたため、良くて14歳前後まで。
それ以上は、原因判明を願うしかない。
風邪をひくたびにヒューヒュー言って、喘息状態になる。
息が出来ない。
苦しい。
ただ涙を浮かべて耐えて、おさまるのを待つばかり。
いつでも死と隣り合わせの日常。
運動もまともに出来ない。
そんな娘を、見ていられなかった。
そんな状態の中でも、白羽は必死に言っていた。
「今だけだから。大変なのは今だけ。明日になればまた楽になる、から……」
言い聞かせていた。
……親に、自分に……。
『だから、ね?安心して』