短編集


息が落ち着くと、白羽は少し眠る。


「ちょっと、寝ておく、ね」


それを見る度に、胸が締め付けられる。


「……白羽……」


――8月、夏休みになり、暑い日が続く。


「……だるい……」


白羽はうちわで自分の顔をあおいでいた。

そんな時でも白羽を襲う。


「……くっ……」


呼吸困難。


「白羽っ!」


白羽の異変に気付き、母はいつも通り駆けつける。

胸の辺りを強く押さえつけ、ただ必死でたえる。

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