短編集
「この三年の大事な時期に骨折だぜ?」
「……運悪いね……」
「で、天使の方はいつものだろ?まだ辛い?」
「今はもう平気。元気なときは元気だから」
「ならよかった」
和泉と白羽はあまり会話したことがなかったが、今回をきっかけに話すようになった。
しかし、白羽の病状は、いい方向へ向かっているとは言えなかった。
ここは、白羽が入院し始めた病院。
白羽が和泉と話している間に、医師から白羽の今の状態を告げられた。
「悪化!?」
「どうやら急性増悪期(きゅうせいぞうあくき)に入ってしまったようで……これからますます辛い状況が増えるかと……」
「……急性増悪期……そんな……」
「15歳になれるかどうか……」
母は目の前が真っ暗になった気がした。