短編集
「天使!」
「和泉くん!」
走ると呼吸困難に陥る可能性があるから、息が切れない程度に早歩きで和泉くんの元まで行った。
互いの顔を見合ってクスクス笑う。
たった一週間でこんなにも仲良くなれるのに、どうして今まであまり話さなかったのだろう?
そんな疑問まで浮かんだ。
そして一緒に教室へと向かった。
二人が教室に入った瞬間、周りが一斉に静かになった。
「て……天使おはよ……」
「天使ちゃ……元気で来れたのね……それより……」
「「それより?」」
あ、和泉くんとハモった。
「二人はいつの間に仲良くなったの!?」
「夏休み中に一体何が!?」
みんなの反応もムリはない。