短編集
ぶつけてしまおう。
今まで、隠していた気持ち。
言いたくて言えなかったことも、全部。
新谷くんに、聞いてもらいたい。
「でもね、詩織も大好きだから、大切だから、詩織にも幸せになってほしい。いつか、大切な人から愛される人になってほしい」
あたしの、一番の願いだ。
「そのためにも、暫くは辛いかもしれないけど、あたしも一歩を踏み出さなくちゃいけないと思う」
「そうだね」
苦しい恋、幸せな恋。
「香月くんが、好き」
この一言に、いろいろな感情が詰まってる。
苦しくて、でも嬉しくて、怖い。
「僕も、波那が好きだよ」
でも、彼からの言葉を聞くと、決意が固まった。
それは、あたしたちの、未来のの始まり。