短編集
萱瀬先輩のこと……?
「……どうって……」
どうって、聞かれても……。
一瞬考えた。
私の先輩への思い?
楽しい?
優しい?
居心地がよすぎて、当たり前のように一緒にいたから考えもしなかった……。
ううん、考えることを避けていた。
逃げてた、怖かったから。
この気持ちを、拒否されること。
「せ、先輩と一緒の時間は楽しいですし、優しい先輩だと思っていますけど……」
ごまかすしか、出来ない……。
先輩が、怖い……。
「あたしが聞きたいのはそんな事じゃない」