短編集


今日まで本当に楽しかった...…。

絵が、完成する。

もう今日しか残ってないと思うと、まだ一緒にいたいっていう気持ちが、どんどん大きくなってくる。


「……はぁ、癒那って本当にバカだよね」


……え?


「寂しそうな顔しちゃってさ。そんなに考える必要ないじゃん」


どうやら顔に出てしまっていたらしい。


「一緒にいたいなら、そう未妃に言えばいいだけのこと。癒那なら言えるでしょ?」

「確かにそうだけど……亜綱はいいのか?俺のこと……」


仮にも好きな奴に、助言するなんて……。


「あたしが今日何しに癒那を呼んだと思ってるの?」

「え?こ、告白じゃぁ……」

「何言ってんの?あたしはフラれるために呼んだんだよ」
< 53 / 115 >

この作品をシェア

pagetop